ひねくれ双子の険しい恋路
2.
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3日後。
あたしは第一体育館に梨沙と並んで立っている。
……なぜか騒がしいこの体育館。
「麻弥ぁ!!がんばれーっ」
「麻弥っ菜々っファイトー!!」
「何すんだ?」
「あぁ、なんかあの4人がバスケ勝負するらしいよ」
男子から女子までザワザワと……
3日前、麻弥が堂々と挑んできたことが周りに広まったらしい。
女子の口は、些細なことでも伝わるのが早い。
それがこんなことに。
「じゃあ始めようか」
麻弥はザワザワと騒がしいギャラリーに動じることなくあたしたちに言った。
「ルールは?」
梨沙が切り出す。
「5分間勝負。その中のポイントで勝敗を決める」
「「わかった」」
今度は声がそろった。
「じゃあ……うーん。あ。」
麻弥はギャラリーをぐるっと見渡してから誰かを見つけたらしく、その人のところへ駆けていった。
「ボール、この人にお願いする。女子じゃなんかアレだし、公平に男子で」
そう言って背の高い男子を1人ひっぱってきた。
確かに麻弥が女子をつれてきたら絶対あたしたちの敵だから、ちょっとした不正がありそう。
そこまで配慮するところとか、物事をはっきり言えるところとかが周りに評価されてこんな人気があるのかもしれない。
特に同性から。
「じゃあよろしく」
「あぁ」
麻弥は連れてきた男にボールを渡した。
慣れた手つきでボールをもっているところ、たぶんバスケ経験者だろう。
タイマーの近くには女子が1人立っていた。
『梨沙』
「うん」
梨沙はあたしと目をあわせてから前に進んだ。
やっぱり最初は梨沙でないと。
「やるぞ」
ボールを持っている男も一歩前に出た。
―――始まる。
梨沙と麻弥の真剣勝負が。
ピーっ!!
タイマーから聞こえる音。
高く投げられたボール。
梨沙と麻弥はほぼ同時に、ボールに手を伸ばしてジャンプした。