ひねくれ双子の険しい恋路
ポスッ
それからすぐに、麻弥の持っていたボールはゴールのネットをくぐった。
そしてたちまち歓声があがる。
タイマーの下に、ポイントが加算される。
0:2
ほんの一瞬で2点奪われた。
「さすが麻弥ー!!」
「1年レギュラーカッコいいー!」
高い女子の声が聞こえた。
……1年レギュラー?
『どういうこと?』
「麻弥は1年で唯一のレギュラー」
あたしがつぶやいたとき、菜々とすれ違った。
菜々は一言だけいうとスタスタと自分の位置についた。
どうりでうまいわけだ。
今ボールを持っているのは梨沙。
そのボールを麻弥に渡したら、お終い。
ってことか。
パシッ
あたしは梨沙からのパスを受け取った。
それから全力でゴールまでドリブル。