ひねくれ双子の険しい恋路
昼休みが終わり、梨沙と麻弥の勝負も決着がついて、ギャラリーはかなり減った。
勝敗にしか興味のないのがギャラリー(野次馬)みたいだ。
勝負の時はシンとしてた体育館が、今は人の出入りで入口が混雑してる。
そんなざわざわした体育館であたしはドキドキしてた。
梨沙は何を言うんだろう。
そればかりが気になる。
あたしたち4人の間だけに不思議な緊張感がただよっていた。
「その前に」
それをざっくりと切ったのは、麻弥だった。
「なに?」
梨沙がきいた。
「あたし、ひとつ言っていい?」
「いいけど」
まわりには、もう人だかりがなくなっていた。
この体育館にいるのは4人だけ。
会話が気になりながらも時計をみると、次の授業開始に鳴る本鈴まであと2分。