ひねくれ双子の険しい恋路
第9章.
1.
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季節は寒い冬へと動いていた。
窓の外では、ちらちらと細かい雪が降っている。
季節が動き、時間も流れた。
「梨沙ー、アンタどうせさっき返された国語のテスト1番だったんでしょ」
「どうせってなに」
「え、違うの?」
「いやそうだけど」
……梨沙と麻弥の距離が変わった。
2人が会話しているのを不思議がる人も少なくなったくらいに。
いいことなのに、満足感でいっぱいにならないこの心は何?
「さっきのテスト聞き損ねたところあるから梨沙の見に来たの」
「……他の人の見せてもらえばいいじゃん」
梨沙の方が若干冷たいし口数も少ないけど、きっとそれは梨沙の照れ隠し。
「誰に聞いても正解した人いないし、あとは梨沙くらいじゃない?」
「……はい」
「ほらやっぱりあってるじゃん」
でもそれは麻弥もわかってる。
だから2人はうまくいってる。
――ポン。
突然。
一瞬温かい何かがあたしの頭にふんわりのった。
けど、すぐにその温度は離れていく。
何か、は後ろを振り向いてわかった。
――あたしの後ろには誰もいなかったけど。