ひねくれ双子の険しい恋路

それでも梨沙の表情は変わらなかった。



「違うよ……見てればわかるよ。


麻生くんはそんな冷たいこと思ってない。

誰が見てもそう言うよきっと…」



なんでそんな不安そうな顔してるの？


なんて言ったら笑ってくれる？


どうして人のことでそんな……。



『ありがとう、梨沙』


でも、ホントに嬉しいんだよ。


だって梨沙が人の事心配してそんな顔するの、あたしくらいでしょ？



心配してもらえるのって嬉しいけど、

梨沙が笑ってなきゃ心から嬉しいなんて言えない。




「……正直に言うと、怖い」



梨沙の口から意外な言葉がもれてあたしは少し驚いた。



『何が？』




「砂希は、たくさんいろんなこと考えてる。

それはいつだってあたし達が進む道を助けた。


だけどね？
今考えて、いきついた先がそれなら……。


あたしもいつか、

いつか砂希が離れてくんじゃないかって怖くなるの」