ひねくれ双子の険しい恋路
「この子は、麻生エリカ。中3の夏から外国行ってた。一夜のハトコ?だっけな」
朝日が一夜に視線を送ると、一夜は頷いた。
「ま、そういうこと」
簡単すぎる説明を終わらせた朝日は、一夜から少し距離を取って梨沙に近づいた。
その行動と、朝日が最初に口にした「うわ」って言葉からして。
……朝日はエリカの事が苦手なんだな。
「なんでもいい、ってなんか理由があったんでしょー?」
「ねぇよそんなもん」
麻生エリカ…。
身長が小さくて、巻き髪の2つしばり。
見た感じ……少しキツい。
強引なところありそう。
あたしは一夜とエリカの会話を見てそう思った。
「別にいいけどさぁ。あたしいない間につきまとってる女いるって聞いたんだけど」
「は?」
このセリフからして、やっぱり付き合ってる…?
「この同じような顔した女のどっちか?それとも両方?」
うん、間違いない。
あたしと梨沙100%同じ気持ち。
120%かも。
まず、
“何この人”
そして、
“絶対性格悪い”
最後に、
“コイツと会話したくない”
バカにしたようなエリカの顔に、あたし達は何も言えなかった。
それくらい、腹が立った。