ひねくれ双子の険しい恋路
『朝、日……』
「梨沙どーしたんだよ!!」
『わかんない、急に…!!』
来てくれて、よかった。
朝日が。いてくれて、助かった。
「とりあえず、保健室行くぞ!!」
『うん…!』
朝日は、梨沙の首元とひざ下に手を入れて、ひょいと抱き上げた。
その瞬間に、クラスがざわめく。
無性に腹が立って、近くの机を思いっきり蹴ったら教室が静まり返った。
「砂希!!なにしてんだよ!!お前も早く来い」
朝日に呼ばれて、急いで教室から出た。
廊下にいた生徒がみんなこっちを見ていたけど、梨沙を抱えてる朝日を追うのに必死で気にならなかった。