ひねくれ双子の険しい恋路
「じゃあ告白して砂希のモノにしちゃえばいいじゃん」
……。
梨沙が悪気ないことはわかってる。
わかってる……のに。
『告白しても、必ず両思いなんて梨沙みたいなことそうそうないんだから』
あたしの言葉に梨沙がピクっと反応した。
言ってから気付いた。
ちょっと感じ悪かったかもって。
でも梨沙の言い方だって、あたしは好きじゃなかった。
「……何ソレ。告白してもいないくせに諦めんの?」
梨沙の声のトーンが少し下がった。
『諦める、なんて言ってない……』
「あのさぁ。砂希はもっと積極的になるべきだよ。エリカみたいに」
梨沙はエリカを見る。
「そういう面では砂希のほうが負けてるんじゃない?」
『……梨沙はエリカの事認めてるんだ?』
なんかだんだんイライラしてきた。
あたしと梨沙の空気が悪くなっていくのもわかった。
「別に認めてるわけじゃない」
『そういう風にきこえるんだけど』
「あの、2人とも。ちょっと落ち着いて話そう?」
あたしと梨沙の間に朝日が入ってきた。
……すっかり忘れてた。
でも今は朝日の言葉さえもイライラする。
「「朝日は黙っててよ」」
梨沙と声が重なる。
「「真似しないで!!」」
梨沙とハモった中でイライラしたのはきっと初めてだ。