ひねくれ双子の険しい恋路
キーンコーンカーンコーン……
2限開始のチャイムが鳴った。
……古文か。
古文はどうも眠くなる。
あたしは、授業前のあいさつが終わってすぐに目を閉じた。
教科書やノートを全部机の中にしまって、机に突っ伏して深い眠りに落ちた。
先生は何も言ってこなかったけど、次のテストでそれなりにとらないと成績落とされるな…なんて考えながら。
――――――
―――
……なんか、ふわふわしてる。
『……夢か』
たまにある、こういうこと。
夢の中で、これが夢だと分かる場合が。
よくわかならい世界をとぼとぼと歩くあたし。
この夢に、何か意味があるとは思えない。
でも、1人なのは現実も一緒――…
(……さん)
後ろからやわらかい声が聞こえた。
(……神谷さん)
2度目はもう少しはっきり聞こえた。
『あたし?』
「神谷砂希さんっ!!」