ひねくれ双子の険しい恋路



キーンコーンカーンコーン……


2限開始のチャイムが鳴った。


……古文か。


古文はどうも眠くなる。


あたしは、授業前のあいさつが終わってすぐに目を閉じた。


教科書やノートを全部机の中にしまって、机に突っ伏して深い眠りに落ちた。


先生は何も言ってこなかったけど、次のテストでそれなりにとらないと成績落とされるな…なんて考えながら。



――――――
―――




……なんか、ふわふわしてる。


『……夢か』


たまにある、こういうこと。

夢の中で、これが夢だと分かる場合が。



よくわかならい世界をとぼとぼと歩くあたし。



この夢に、何か意味があるとは思えない。



でも、1人なのは現実も一緒――…



(……さん)


後ろからやわらかい声が聞こえた。


(……神谷さん)


2度目はもう少しはっきり聞こえた。


『あたし?』




「神谷砂希さんっ!!」




< 312 / 392 >

この作品をシェア

pagetop