ひねくれ双子の険しい恋路


…………。



『ははっ、……』



おかしい。


何考えてんだあたし。



あたしは頭をかきながら4階への階段をあがった。



あー、眠い。


一夜には散歩って言ったけど、ホントはあたしも図書室で寝ようと思ってた。



最近寝つきが悪い。


浅い眠りで何度か目を覚ます。



『ふわ、』


あくびも、もう何回目かわからなくなった。



タン。



ゆっくり登りきった階段。


「…………」



無言で睨み付けてくる人が待ち構えていた。



あたしはスルーしようと、歩きだした。


睨んでくるその目線は完璧にあたしだけど。



「ちょっと、何無視してんのよ」



止められた。


あたしは何も言わなかった。


「デカい女は可愛くないのよ」



……あたしがデカいんじゃなくてアンタが小さいんだよ。


あたしは小さなため息をひとつこぼした。




「……うざいのよ、アンタ」



それはこっちのセリフだ。


今一番会いたくなかったのに。





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