ひねくれ双子の険しい恋路



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真っ暗、真っ暗。



やだな、暗くて黒いの。



だって、なんか息苦しくなる。

動けなくなる。


何も見えないから、前にも後ろにもすすめない、もどれない。



1人で突っ立ってるのなんか楽しくない。




「――……」



なに?



「……きろ、だい……ぶか」



あ。

なんかハッキリ聞こえてきた。




「おいっ、どうしたんだよ!!」



暗闇に光が差し込む。


その先に、誰かの顔が見える。



『い、た……い。さ…わら、ない……で』



誰かに揺すられた体が痛くて、まともに出ない声をふりしぼって言った。




「あ、悪い。というか、どうしたんだよ。こんなところで寝てるし、呼んでるのに全く返事しないし……」



目の前が少しだけのぼやけてるけど、あたしを起こした人が誰かは認識できた。


……なんでこんなところにいるんだ?








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