ひねくれ双子の険しい恋路
「静夜くーんっ。来たよー」
どこかから、かわいらしい声が近づいてくる。
「あー、こっちこっち」
静夜が手招きをしているのが見えた。
ユカリちゃん……だっけ。
え、何。なんで白衣着てんの?
「まぁっどうしたの!?」
「階段から落っこちたみたいで」
軽く言ってるけど結構…だいぶ痛いんだぞこっちは。
「え、え、じゃあとりあえず保健室にいらっしゃい」
……“ユカリちゃん”の正体って、もしかして。
「えーっと、静夜くん大丈夫?」
「大丈夫大丈夫」
そう言った静夜は、あたしの体を起こして背中に乗せてくれた。
……確かに…楽だけど。
で。
静夜とそのユカリちゃんの関係に疑問はあったけど、あたしは保健室に連れて行かれた。
――――
――
「左手首、ひねってるわね」
あと、擦り傷に打撲。
と、ユカリちゃん…じゃなくて、ユカリ先生?は言いながら手当てしてくれた。
「じゃあ少しベッドで休んで行って?」
『ありがとうございます』
先生は、ニコッと笑ってカーテンを閉めた。