ひねくれ双子の険しい恋路



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「あたしはもう砂希がいなくても大丈夫」

「俺だって、いるしな」


うん、そうだね。


梨沙が朝日と一緒に消えていく。



「俺はコイツから離れることはできない」

「言ったじゃない、一夜は私のだって」


一夜がエリカを引き寄せて、笑いながらどこかへ。



「砂希さんは、嘘ばかりついてますよね」


真奈美の悲しそうな顔が見えた。

そして消えていく。



――結局は真っ暗に戻る。



どうしたら、変えられる?

なんて言ったらいい?


1人になりたくない、なんて気付くの遅すぎた?


もう戻れないの?




「言いたいこと、言わなきゃだめよ」



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『………』


ゆっくり目を開ける。

見えるのは、ただの天井。


――夢?


……じゃあ、最後の声は誰だったの?



「邪魔者は退散します」


先生の楽しそうな声が、どこかで聞いたことあるような気がした。









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