ひねくれ双子の険しい恋路



ガラッ、バンッッ



「砂希っ!!!!」



わー、すごいタイミング。


叫び声に近いような声を出して、梨沙が保健室に来た。


シャっとカーテンが開けられる。



そういえば、喧嘩してた。

喧嘩、というかあたしが一方的に悪いだけの気がする。

どうしよう、なんて言おう。



「大丈夫なの、砂希!!」


『え、あ、とりあえずは』


布団から顔を出すと。


真っ青な顔で髪がぼさぼさの梨沙が、息切れしながらあたしに近寄ってきた。



『ごめん』


梨沙の姿を見て、何も考えずにポロリとこぼれおちた言葉。

すごく情けない声だったと思う。


「心配した!!すごく!!何してるの……ホントにもう、どうしようかと」


そこまで言って、梨沙はガクンと膝を床についた。


『梨沙?』


逆にこっちが心配になって、あたしはベッドについていた梨沙の手を握った。


『大丈夫、だよ?』



「っ、っ、ぅ。ひっく、」


梨沙はベッドに伏せて、突然泣き出した。

それはもうすごい嗚咽で、一夜もビビっているくらい。



泣きながら、梨沙はあたしの手を強く握って離さなかった。






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