ひねくれ双子の険しい恋路
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ガチャリ。
やけに重く感じる家の扉を開けて、中に入る。
学校から家まではそう遠くはなく、歩いて帰ってきた。
『……さむ』
昨日よりも寒いと思うのは、熱があるせいか。
特有の気だるさに、悪寒、さらに眠気。
『とりあえず寝るか』
しんとした家で、俺の声だけが聞こえる。
それが、久しぶりに早退してきたという感覚を強めた。
それから少しして、自室のある2階へのたのたと向かった。
歩くのも面倒くさい、着替えるのも面倒くさい。
若干の苛つきを抑えながら、ベッドに潜り込んだ。
冷たい布団に、また悪寒がはしる。
『くそ』
早く布団暖かくなれよ。
そのまま、重い瞼を閉じた。
暗闇が、俺の視界をゆっくりと覆っていく。
物音ひとつしない、この部屋で、家で。