ひねくれ双子の険しい恋路



それからの俺は、浅い眠りを繰り返した。

意識がギリギリあるのに眠れなかったり、数分ごとに目が覚めたり。


ついには、目を閉じたまま眠らなくなった。


まぁ、じっとしてるのも悪くないし、寝たり起きたりを繰り返すよりはいくらか楽だった。


それでも暇は暇。

ただ時間が少しずつ過ぎるだけ。


1時間くらい経ったかと思って時計に目を向けても、まだ15分くらいしか経っていなかった。



何でこんなに時間たつの遅ぇんだよ。



思いはしたが、口には出さなかった。

出しても、この静まり返った家に吸い込まれて消えていくだけだ。



『…………』



静寂が、重い。


俺の家って、こんなだったか?


今まで感じたことのないような……何とも言えない。何だ?




――今度こそ、寝よう。



考えることが嫌になって、さらに毛布を被る。


チクタクと秒針のうるさい時計から、単1電池を乱雑に抜き取ってまとめてベッドから落とした。







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