ひねくれ双子の険しい恋路
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なんか。
熱い……暑い、か?
暑い。
目の前は、何も見えない。
あ?
寝てるのか。
俺、寝てた?
俺はいつ閉じたのか覚えていない瞼を開けると同時に、暑さの原因である毛布を退かした。
「「あ、起きた」」
な、んだ?
……幻聴か。
相当熱にやられてる、俺。
『……』
「ちょっと、何その誰ですか、みたいな顔」
この、声。
「1時間前に梨沙と帰ってきたの。明日から3連休だし」
懐かしいような、そうでもないような。
『……あ、そう。……おかえり』
喉が痛かった。そのせいで声が掠れた。
「「ただいま」」
――にこりと笑った、俺の姉たち。
同じような顔で、全然違う双子。
俺が小5になった春に家を出て遠い中学に行った、少しワケありの二人。
『……りさ、さき、おかえり』
「「?ただいま」」
重なるその声は、俺の言葉のすぐ後に聞こえてくる。
――そんなの、当たり前なんだけど。