ひねくれ双子の険しい恋路


梨沙だって本当は昔みたいに戻りたいはず。


『いいから答えてよ』


「親友のせいで、ねぇ。

俺だったらその親友をとるかな。周りになんと言われても親友って言うくらい大事な友達なんだから」


『……朝日ってさ、変わらないね』


なんか笑えてきた。

だけど、やっぱり朝日は朝日。

昔と同じで、バカ正直の純粋なヤツ。



「ねぇ、砂希ってば……」


『ちょっと待ってて梨沙』


最後まで話をするために、梨沙を止めた。


「何だよ、おい」

『ごめんごめん。んでさ、あたし達って朝日の何?』



さて、なんて返ってくるかな。



「大事な幼馴染!!」


…………。



「「あははははっ」」


なぜか、梨沙と2人で笑ってた。

バカ正直な朝日の回答に、笑えてきたんだ。


こんなひねくれたあたし達を、“大事な”って言った。


こんな嬉しいことなんかないよね、梨沙。






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