ひねくれ双子の険しい恋路
――ガシガシ。
二人して、俺の頭をぐちゃっとさせた。
でも、何も言わなかった。
二人とも、同じ顔しながら。
俺の小さな言葉は、二人の耳に届く。
双子の重なる声も、似た表情も、俺に届く。
今ここに、あの時の家はない。
――きっと、この3連休中にも。
重たかった静寂は、
この二人が作って
この二人が解消していった。
「じゃ、スポーツドリンクとゼリーよろしく」
俺の顔を見た梨沙と砂希は、二人楽しそうに部屋を出ていった。
(変わっても)
(変わらないものがある)
――end.