ひねくれ双子の険しい恋路
第2章
1.
梨沙が熱を出して倒れた日から3日たった。
「砂希、チョコ食べる?」
『うん、もらう』
完全復活みたい。
本当によかった。
「なぁ梨沙、次の授業の課題見せてー。俺、絶対あてられる」
朝日とも、無事仲良くなれたみたい。
3日前、あたしが出ていった後の保健室で何があったかは分からない。
もしかしたら何もなかったかもしれない。
顔真っ赤にしてたからね、梨沙。
「しょうがないなぁ。お昼にジュース1本買ってきて」
「……うーん、わかった」
朝日と仲良くしてて、心配だった周りの目。
だけど、女子たちが目をむけたのはあたし達双子であって、朝日ではなかった。
『よかった』
「何が?」
『あ、ごめん。なんでもないよ』
つい口に出していて、梨沙がハテナマークを浮かべてた。
まぁ朝日はかっいいほうになるもんね。
そんな人の悪口を女子が言うわけないか。
そのかわりに、毎日のように痛い視線がくるけど。