ひねくれ双子の険しい恋路



するりと砂希の白い頬を撫でると、それはちゃんと温かかった。

砂希は無表情のままだけど、みるみるうちにその色はピンク色に変わってさらに温かさが俺の手にも伝わった。




あー……ホントに今日はダメだ。

理性揺らぐ。



『この無自覚』

「はぁ!?意味不明!」


照れてる時は、いつもより威勢がいい。

可愛いとか言うと怒り出すからやめておこう。


『寒いし帰るぞ』

「それさっきあたし言った!」


怒って隠してるつもりだろうけど、顔の赤みが引いてない。


それを見て、やっぱり可愛いと言いそうになったことに気付いて言葉を飲み込んだ。





俺たちの1つの傘には



砂希のマフラーが巻かれた俺と、


俺に包まれた手を握り返してくる砂希だけ。



ここには、誰もいれねぇよ。



――――――



(お互いに虚勢を張っても、)

(結局は本当のことをわかってる)


――end.


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