ひねくれ双子の険しい恋路
そんな視線なんか気にもならない。
けど、梨沙と朝日を邪魔するとなれば話は別。
――許さない。
……あーあ。
梨沙ってば、あんなに嬉しそうな笑顔しちゃって。
『朝日のバカ』
「は?いきなり失礼だな砂希!!」
『知るか』
あたしはこれでいいや。
ふざけあってでも、一緒に笑えてればいい。
あたしの我が儘で3人の関係が壊れるくらいなら、あたしはいくらでも嘘をつく。
朝日のこと好きだけど、
梨沙の事も大好きだから。
チクン。
また、だ。
どうして嘘をつくと痛いの。
あたしの意志なんだから、黙っててよ。
梨沙と朝日がいい雰囲気になってたあの保健室でも――。
もう限界?
――まだ頑張ってよね。
こんなところで、あたしの気持ちで邪魔したくない。
知ってる、痛みの名前。
嫉妬……っていうんでしょ?
辛い……っていうんでしょ?
――きっとあたしの心は真っ黒だ。