ひねくれ双子の険しい恋路
ほらやっぱり。
女子からの視線ガンガンきてるよ。
別にどこに座ろうが勝手だけど、あたしの隣である必要はなかったと思う。
「起立。礼」
挨拶をして、授業が始まった。
――20分経過。
「えー、この時に使う公式は~であって、~…」
……つまらないし、暇。
でも、この席は好き。
開いてる窓から、ふんわりと風が入ってきて気持ちいい。
そのせいか、隣の席の人は眠っている。
普段じゃ絶対にしなさそうな、寝顔。
……あたしは何見てるんだ。
――うん。暇すぎたんだ、きっと。
目線を窓の方にやると、雲ひとつない青空が広がっていた。
暇だし、寝ちゃおうかな。
と思っていたら、窓から小さな虫が入ってきた。
『……テントウムシだ』
小さくつぶやいたあたしの声は、誰にも聞こえなかったみたい。
赤い色に、黒の斑点。
七星テントウは、テントウムシの代表だよね。