ひねくれ双子の険しい恋路
なんだかまた眠くなってきたなぁ。
教室には朝日がいるし、梨沙は大丈夫だよね。
あたしは、座ったまま眠りについた―――。
* * *
『……?』
真っ白な世界。
あたしと、朝日と、梨沙だけしかいない。
「砂希……。俺さぁ、お前の事ずっと好きだったんだ」
『はぁ!?』
いきなり何言ってるの、朝日。
「……そうだったんだ。2人ともあたしに嘘ついてたんだね。本当は付き合ってるのに」
『ちょっと、梨沙まで何言ってるの!?』
「言い訳なんて聞きたくないっ。砂希なんか大っキライ!!」
『梨沙ッ!』
この白い世界から、梨沙は走り去っていった。
「気にすんな。気持ちの上で、犠牲は仕方ないんだ」
朝日、そんなこと言うような人じゃなかったよね!?
『なにそれ、意味わからない!!あたしは梨沙を追うっ』
走り出そうとして、腕を引っ張られる。
どうして行かせてくれないの?
朝日にとって、梨沙は何だったの――?
* * *