ひねくれ双子の険しい恋路
『あぁ、きっと夢のせい、かも……』
自分で言ったくせに、少しテンションが下がる。
「ふーん」
あんまり興味なさそうな返事。
って、そりゃそうか。
こんな話に興味ある人なんて逆に気持ち悪い。
スッ。
麻生は、あたしの隣に座った。
……なんで?
「まだ授業やってるからな」
『え、あ、そうだね』
この人、なんであたしの考えてること分かったんだろう。
さっきの授業でもあたしの嘘に気付かれたし、名前も知ってた。
『ねぇ。なんであたしのことわかったの?』
不思議で不思議で、思わず聞いた。
「朝日の幼馴染だろ?」
『そうだよ』
答えになってないんだけど。
「俺、朝日とは中学に入って会った」
…いわゆる、友達、ということでいいのかな。