ひねくれ双子の険しい恋路

2.




『…………』


え、何?

どうして?


会ったばかりのこの人に、何故?


初めて自分の心を見透かされて、何も言葉が出てこない。


「図星か」


『なんであたしが朝日を?』


“図星か”と言った麻生にムカついて、言葉が出てきた。


「たまに、変な顔するだろ」


『はぁ?』


何、コイツ。

本人の目の前で失礼な……。



「違う。そうじゃない」


『じゃあ何』


冷たく言い返した。


「気付いてないだろ。お前、あの2人に対して一瞬だけ辛そうな顔する」


あの2人、というのは梨沙と朝日の事だろう。


『そんな顔しない。というか、何。見てたの?』


“一瞬”って言うくらいなら、普通気付かないでしょ。



「あぁ、見てた。だからお前の気持ちもわかった」


『な、何で見るの』


ストレートな回答に驚いた。


なんか、すごくやりずらい。

麻生にあたしのペースを崩されてるような。






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