ひねくれ双子の険しい恋路


……それからが大変だった。



「おい、次の授業の課題見せろ」

『そんな偉そうな人には見せたくない』

「じゃあ言うわ。朝日ー、」

『わかったわよっ』


麻生とあたしの言い合い。

というよりも、麻生の方が一方的。




「おい、資料運ばなきゃいけねーから手伝え」

「次の授業のノート取っとけ」

「日直の仕事かわれ」


……こんなのばっかり。


『なんであたしが…』


ってちょっとでも拒否ると、


「じゃあ言っていいんだな。朝日ー、」


ってなる。


最初はものすごくイライラいたけど、もう諦めた。

まずイライラすることに疲れた。



いつのまにか、周りの目は「麻生が神谷(砂希)をパシらせてる」という風に…。


なんか、すごい惨めな気分。


だけど、そこを気にするのも面倒くさくなった。











< 61 / 392 >

この作品をシェア

pagetop