ひねくれ双子の険しい恋路
3.
あたし達双子の決意から、3日。
まだ梨沙は、朝日に告白してない。
それは、あたしが『梨沙のタイミングでいいんじゃない?』って言ったから。
いつになるのかは分からないけど、そう時間はかからないと思う。
だって、梨沙が1人で決めたことだから。
あたしも、まだ朝日の事が好き。
まだ、好きでいてもいい。
踏ん切りをつけなきゃいけないんだ、と思えば思うほど、朝日の顔が浮かんでくる。
あの、思いっきり笑った顔が。
「…き、…き。ねぇ、砂希っ!!」
『あ、ハイ!!』
「何ボーっとしてんの?箸止まってるよ」
梨沙に呼ばれて、我に返った。
『あ、ホントだ。ごめん、何でもない』
少し笑ってごまかした。
今は、静かな屋上でお昼中。
あたしと梨沙と、なぜか朝日と麻生がいる。
ふと目の前から視線を感じた。
目の前に居たのは、麻生だった。
『何』
「別に」
『なんかあるなら言ってよ、気になるでしょ』
「だから別になんにもねーって」
『じゃあなんで見てたのよ』
「さぁな」
『はぁ!?』
「おいおい、昼ぐらい仲良く食おうぜ?」
あたしと麻生の言い合いを、朝日が止めた。