ひねくれ双子の険しい恋路
「何だよ、急に。梨沙と一夜置いてきて…」
『あのさぁ、あたしらの事なんかに首突っ込んでないで、自分の事考えたら?』
「は?」
『あたし、知ってるんだから。梨沙への気持ち』
あたしがそう言ってニヤッと笑うと、朝日は顔を真っ赤にさせた。
「な、な、なんで知って…!!」
慌てすぎて言葉になってないよ。
『見てればわかる。そんなことより、早く言いなよ』
「何を?」
『梨沙に、“好きだ”って』
朝日はまた赤くなった。
「なんで…」
『今からチャンスを作るから。そこで言わないようなヘタレになんか大事な梨沙はあげない』
ここまで言えば、きっと大丈夫。
「わ、わかったよ……」
『よし、じゃあ戻るよ』
照れてる朝日を置いて、素早く残った2人の元へ戻った。