ひねくれ双子の険しい恋路
第3章
1.
「「ただいまー」」
梨沙と声を合わせて部屋に入った。
部屋っていっても、2人の家みたいな感じだからね。
今日の昼休みの事は、何も聞いてない。
どうだったの?
って聞いてみたけど、
“帰ってから言う”
って言われて、そのまま……。
――結果なんて分かってるけどね。
『で、昼休みの報告は?』
「あ、ハイっ!!」
急に赤くなっちゃって…。
バレバレだよ…。
でも、その結果を梨沙の口から直接聞きたい。
聞いてしまえば……お終いだけど。
「朝日と……付き合うことになりました…」
梨沙は真っ赤になって、小さな声で言った。
『やっぱりね。おめでとう』
ニッコリ笑いかけることができた。
これで2人は幸せになれる。
身近な人が幸せになってくれるのは、素直に嬉しい。
あたしの気持ちに関係なく、ちゃんと喜べた。