ひねくれ双子の険しい恋路
* * *
「砂希、もう寝よ?」
『あ、うん。そうだね』
現在23:50。
あたしは2段ベッドの梯子をのぼって布団に入った。
この部屋に来た時に、梨沙が「あたしベッドは下がいいっ」っていったから。
あたしはどっちでもよかったんだけどね。
カチャン。
梨沙が電気を消した。
『梨沙、明日朝日と学校行ってね』
暗闇の中、ベッドの下の梨沙に話しかけた。
「は!?なんで?」
案の定、梨沙は驚いた声をあげた。
『堂々と手でも繋いでさ』
「いや、だからなんで!?」
勝手に話を進めるあたし。
理由を知りたい梨沙。
『今日学校で言ったの。女子寮の前まで梨沙を迎えに来いって』
それはもう、こっそりとね。