ひねくれ双子の険しい恋路



女子寮から学校までは歩いてほんの2~3分。



――やっぱ朝早くに学校に来る人は少ない。



1人で学校来るの、初めてだ。

でも、1人で行きたかった。


梨沙と朝日の邪魔になりたくない。



ガラガラ…。



教室に入ると女子が何人かいて、驚いた目であたしを見てた。

あたしと目が合うと、すぐに反らしたけど。


窓側の自分の席に座って、外をボーっと眺める。





……ボーっとしてると、時間がたつのが早い。




学校に来てからもう40分。

結構な数の生徒が登校してきた。


ガタッ。


席を立って、窓に近寄る。


梨沙と朝日、来たかな…。



(え、うそ!!何アレ!!)

(福田くんと……神谷さんだね)

(何で手繋いでんの!?)



教室に来たばっかりのうるさい女子グループが、窓の外を見て話してた。


かなり驚いたのか、ヒソヒソ話のつもりが普通のおしゃべりになってる。



でも、それで気付いた。

校門辺りに、梨沙と朝日がいるのを見つけた。


手を繋いでる……というか、少し朝日が引っ張ってる気がする。

梨沙は真っ赤になって下を向いていた。



『やるじゃん、朝日……』


あたしの小さなつぶやきは、さっきの女子グループの会話によってかき消された。








< 77 / 392 >

この作品をシェア

pagetop