ひねくれ双子の険しい恋路
女子寮から学校までは歩いてほんの2~3分。
――やっぱ朝早くに学校に来る人は少ない。
1人で学校来るの、初めてだ。
でも、1人で行きたかった。
梨沙と朝日の邪魔になりたくない。
ガラガラ…。
教室に入ると女子が何人かいて、驚いた目であたしを見てた。
あたしと目が合うと、すぐに反らしたけど。
窓側の自分の席に座って、外をボーっと眺める。
……ボーっとしてると、時間がたつのが早い。
学校に来てからもう40分。
結構な数の生徒が登校してきた。
ガタッ。
席を立って、窓に近寄る。
梨沙と朝日、来たかな…。
(え、うそ!!何アレ!!)
(福田くんと……神谷さんだね)
(何で手繋いでんの!?)
教室に来たばっかりのうるさい女子グループが、窓の外を見て話してた。
かなり驚いたのか、ヒソヒソ話のつもりが普通のおしゃべりになってる。
でも、それで気付いた。
校門辺りに、梨沙と朝日がいるのを見つけた。
手を繋いでる……というか、少し朝日が引っ張ってる気がする。
梨沙は真っ赤になって下を向いていた。
『やるじゃん、朝日……』
あたしの小さなつぶやきは、さっきの女子グループの会話によってかき消された。