ひねくれ双子の険しい恋路
「おはよ、砂希?」
気付くと、ニッコリ笑った梨沙がいた。
『おはよ』
梨沙の後ろには朝日がいて……じゃない。
梨沙のすぐ後ろにはブラックオーラかな。
その後ろに朝日だ…。
「……ちょっと来て」
『はいはい』
梨沙に突然引っ張られて、ずるずると教室を出た。
――――
――
「で?」
『……ん?』
誰もいない女子トイレにつれてこられた。
「しらばくれないでよ。今日の朝のあの書き残しは何?」
『そのまんまだけど…』
梨沙の目が笑ってないよー。
「“日直の仕事”なんて嘘でしょ!?」
『嘘じゃないよ。本当にやったもん。というか、梨沙も日直だし』
席が隣の2人組で、日直をやっていく決まり。
だから、あたしたちは今日の日直。
「あ、そうだったね。…じゃなくて、」
『まぁいいじゃん。朝日とはラブラブで学校に来れたし、みんなは2人が付き合ってるって思ってるし。結果オーライってヤツ?』
「むぅ……」
また顔赤くして、あたしを睨んでる。
『そんなに怒らないの…。妹からの祝福の品だと思ってさ』
なだめるように梨沙に言った。
「……しょうがない、許してあげる」
『なにそれ、偉そー』
「だって砂希がいけないんだもーん」
『祝福だって言ってんじゃんー』
結局あたしと梨沙は、笑いながらトイレを出た。