ひねくれ双子の険しい恋路


「あぁ、食べた」


あっさり認めたな、コイツ。


『あたしのお昼なくなっちゃうでしょ』

「なんとなく食べたくなったから」

『じゃあ一言断ってよ』

「めんどくさかった」

『はい?』



「おーい、とりあえず、食おうぜ?」



あたしと一夜の言い合いを止めるのはいつも朝日だ。


でもなんで一夜とはいっつもこうなのかなぁ、もう!!


イライラしながらウインナーを口に入れた。


『もう食べ終わりましたから』


朝日に嫌味ったらしく言ってやった。



「じゃ、行くか」


お弁当をたたんだあたしに言ったのは、一夜だった。


『え?』


なんにも知らないあたしは、無理矢理立ち上がらされて、一夜に引っ張られて行く。


『ちょっと、どこ行くの!?』


「じゃあな朝日。ごゆっくり」


あたしの質問に答えてよ!



……なんか今日はやけに引っ張られる日だなぁ。




バッタン。


屋上から出た。


一夜は、階段を下りてすぐの資料室に入った。




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