ひねくれ双子の険しい恋路
『何、いきなり』
「あいつら、付き合うことになったんだな」
あぁ、そのことね…。
『そうだよ。昨日の夜、梨沙から報告もらった』
「なんでそんな平然としてられんだよ」
一夜はいつも痛いトコばっかりつく。
『当たり前でしょ。あんなに幸せそうじゃん、梨沙たち』
――もうそれ以上、入り込んでこないで。
「じゃあお前の気持ちはどうした」
『さあね』
自分を嘲笑って言った。
あたしの気持ちがあったところでただ邪魔になるだけなのを知っている。
早く、消してしまいたい。
もう、いらない。
「……そんな軽い気持ちだったんだな。
お前の“好き”がその程度なら、片方に取られるのも当たり前か。
惨めだな、お前」
今度は一夜があたしを嘲笑った。
それを聞いた瞬間、頭に血が上った。
あんたなんかにそんなこと言われたくない。
あんたになんかあたしの気持ちわかんない。
あんたなんかに言われなくたって、自分が一番よくわかってる。
『うるさいっ!!』
気付いたらあたしは大声をあげていた。