ひねくれ双子の険しい恋路



『久しぶりに告白のお手紙だ』

「ふぅーん」

『これ、あたしが行っていい?前は梨沙が行ったし』


告白のお呼び出しは、交代で行く。


「いいよー。というか、あたしにも見せてよソレ」

『いや、たいしたこと書いてないって。ただ、“今日のHRが終わったら、中庭に来てください。大事なお話があります”ってだけ』


「じゃあ砂希よろしくねー。あたしまだ課題終わってないから、教室にいるよ?」

『OK!』


2人で決めて、教室に向かった。




――あたしの直感は外れていなかった。


あれは告白なんかの手紙じゃない。


【神谷梨沙
HR後に1人で体育館倉庫の前まで来て】



小さな丸字で、そう書かれていた。


梨沙に見せる前に取り上げてよかった。

こんな呼び出し、梨沙は行かなくていいし、知らなくていい。



絶対、朝日との事を言われるんだから。





あたしは教室への階段を上りながら、梨沙に気付かれないように手紙を握りつぶした。









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