ひねくれ双子の険しい恋路
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『じゃ行ってくるね』
「うん、行ってらっしゃい」
HRが終わって、にぎやかな教室から出た。
『体育館倉庫って遠い…………めんどくさい』
予想外に長かった道のりを歩いて、やっと目的地に到着した。
というか、誰もいないし。
呼びだしたからには先に来いよ。
「あら、早いわね」
「ホントだ。もう来てる」
……来た。
見た感じ、同学年か1つ上の学年の女子が4人。
『で、用件は何なの』
早く帰りたいから、話を進めた。
「……っ何その偉そうな態度!」
「まぁ落ち着きなって。神谷さんにさぁ、話しあってさー」
1人の女子がキレて、それをリーダーっぽい人がなだめた。
仮にこのリーダーを女子Aとしよう。
キレた人は女子Bで。
後ろの2人は女子C、Dとか。
多分、話をするのは女子AとBなんだろうな。
後ろの女子C、Dはきっと付き添い的な役割。
「あんたってさぁ、神谷梨沙?」
女子Aに聞かれる。
『他に誰かいます?』
呼び出しておいて本人確認?
笑っちゃう。