ひねくれ双子の険しい恋路


ちょっと、待って。

いくらなんでも、それはないって。


って言っても、あたしが言った言葉のせいだけど……。

あの言葉に嘘は無いけど……。




周りは真っ暗。

自分の手さえはっきりとは見えにくい。


黒、黒、黒…。




あたし、何してる?

声だしてるの?出してないの?

ここ、どこ?


ちゃんと息してる?


真っ暗だと、何もわからない……。




『…っはぁ、』



苦しい、気持ち悪い、頭がぐるぐるする。

なに、ここ。だして、はやく。




――ガタガタッ




『っ!?』


倉庫と2階から、物音が聞こえた。


もう暗いし苦しいし怖いしわけがわからなくて、あたしは頭を抱えて身を縮めること以外なにもできなかった。



――タン、タン、タン



階段を下りてくる足音がする……。



なんだろう、何かがこっちに来る。

どんどん音が近づいてくる。



待って、こっちへ来ないで、

こないで、こないで


来るな、くるな、くるな!!!!










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