ひねくれ双子の険しい恋路


……。


『は、はぁ!?』

「だから、離さないって言ったらお前どーすんだよ」



一夜はニヤリと笑った。



こいつ……楽しんでる!


『もういいから離してってば!』


ジタバダと暴れてみたが、まったくもって効果なし。

余計に腕の力を強められた。



「それより、これどーした」

『いっ…』



一夜は急にあたしの口元を触った。

痛くて声がでた。



『別になんでもない』


「ふーん…。じゃあ言わなきゃ離さねぇ」


『なんでそうなるの!?』



めんどくさい。

ものすごくめんどくさい。



「原因さえ言えば離してやるよ」

『なんで一夜に言わなきゃいけないの、関係ないでしょ』

「知りたいから」


即答された。


はぁ…。

やっぱりあたしが折れるしかないのか……。






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