V O I C E
「え!東馬、ツイッタ-はじめんの?」


楽曲作成中のスタジオ。空き時間にパソコンをいじる東馬が開く、ツイッタ-の新規アカウント作成画面。直人はそれを見逃さなかった。

「・・・・・実名は出さずにね」

「は?」

「なりきる。他人に。一種の経験値増やす感じで始めるだけだよ。俺の私生活や気持ちをそこに呟く気なんて最初からねぇし」

「わ、嫌な奴だなお前!」

「だけどこちら側からすればその方が安全だろ。情報ダダ漏れにする直人違って賢明な判断だよ、東馬」


東馬に話しながら画面を見る直人の隣に、コ-ヒ-を飲みながらク-ルに会話に参加したのはベ-スの弘樹だ。


「人聞き悪ィよ弘樹!あれはファンサ-ビスじゃんよ!」

「東馬、ID何にするんだ?」

「keyにした。名前はケイ。26歳のそこそこなサラリ-マン設定にするしよろしくね」

「ああ、鍵本東馬だから鍵のkeyねぇ」

ドラムの秀治が会話に入る。


「俺のことフォロ-する?俺お前のことリフォロ-すんよ!」

「や、よくわかんねぇけど・・・それは避けよ。doorsの話題が出りゃ歌は聴く、程度の感じにするよおれは。それに直人さ、自分のことフォロ-してる人は何千人と居るのにお前がフォロ-してる人間の中に俺が居るのは不自然だろ?」

「ああ、そりゃそ-だな・・・。じゃあ見守るわ!わかんねぇことは聞けよ!」

「よく直人からツイッタ-のこと聞くから、自然とやり方わかるけどねなんとなく・・・」



key:ツイッタ-はじめました。よろしく。



「なんだよその呟きは!!!」

「え?だめなの?」

「まずな、仲間を増やすんだよ!ハッシュタグ使用してだな、たとえば俺達のファンなら"#doors"を付けて呟くワケ!あ、だけどこれで検索かけるとたまにアンチ見付けるからヘコむんだけど」

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