V O I C E

「じゃあ・・・俺は趣味でバンドやってるサラリ-マン設定にするわ。だから音楽の話はそこそこわかる、的な。そんな人物像を創り上げるよ」

「まあがんばれよ、東馬・・・じゃねぇな、ケイ。ツイッタ-専用のお前の人格は、"ケイ"だな」

「直人、俺の・・・フォロ-?フォロワ-?よくわかんねぇけど、あの友達的な人達をさ、増やしてよ」

「え、結局おれがやんのかよ!!!」

「情報源は多ければそれだけ刺激になるし、真偽ごちゃごちゃだけどたくさんの情報が手に入るだろ?曲作りに生かせる」

「・・・まあ、曲作りに生かせる・・・そんなこと言われたらがんばりますよ俺は・・・」


その様子を見る弘樹と秀治は、微笑ましく顔を見合わせた。

そして弘樹は少しだけ笑って、兄らしくわずかに忠告を投げた。


「ツイッタ-にハマりすぎて曲作りを疎かにするんじゃないぞ、東馬」

「安心してよ弘樹、俺は絶対に大丈夫」


話してる間に直人が東馬・・・ケイの呟きをカタカタと入力した。


「よし!こんだけハッシュタグ付ければある程度は広がんだろ。あとはお前の好きなこと呟けよ、東馬・・・じゃねぇや、ケイくん♪」

「おお、ありがと」





key:邦楽/洋楽問わず、音楽が好きな人、ロックが好きな人はフォロ-よろしくお願いします! #followme #music #rock #guitar





翌日、東馬ことケイには数人のフォロワ-が増えることになる。

大人気バンドdoorsのボ-カルである東馬は、この日ツイッタ-の世界に足を踏み入れた。ごく普通の26歳、"ケイ"になりすましたまま・・・。

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