何でも言うこと聞くイケメン、欲しくありません?
じろじろ見下しながら言えば、男は執事よろしくうやうやと一礼をした。
「昨晩も申し上げた通り、俺はあなたに召還された奴隷です」
「奴隷制度は廃止になったのしらねーの」
「俺はあなたの下僕です」
「言い方変えただけじゃねえかっ」
ばしんと叩いても、イケメンはイケメンらしく顔色一つ変えやしない。
「つうか、召還?つか、昨晩?」
昨晩のことを思い出す。
あー確か、オカルト好きな友達と黒魔術ごっこをやったっけ。私の部屋で。
は、自分の心の広さには感動を覚える。
何にしても。
「私は、あんたなんか知らん。帰れ。警察呼ぶ前に」
「俺の帰る場所は咲のお側だけです」
「あー、もしもし警察ですか。不法侵入者が」
手元にあったケータイを耳に当てていれば、がちゃりと玄関があいた。