何でも言うこと聞くイケメン、欲しくありません?


じろじろ見下しながら言えば、男は執事よろしくうやうやと一礼をした。


「昨晩も申し上げた通り、俺はあなたに召還された奴隷です」


「奴隷制度は廃止になったのしらねーの」


「俺はあなたの下僕です」


「言い方変えただけじゃねえかっ」


ばしんと叩いても、イケメンはイケメンらしく顔色一つ変えやしない。


「つうか、召還?つか、昨晩?」


昨晩のことを思い出す。


あー確か、オカルト好きな友達と黒魔術ごっこをやったっけ。私の部屋で。


は、自分の心の広さには感動を覚える。


何にしても。


「私は、あんたなんか知らん。帰れ。警察呼ぶ前に」


「俺の帰る場所は咲のお側だけです」


「あー、もしもし警察ですか。不法侵入者が」


手元にあったケータイを耳に当てていれば、がちゃりと玄関があいた。


< 3 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop