Kiss
公園のベンチで待っていると、煙草を吸いながらケイタがやって来た
『ごめんね、リホちゃん…』
「リホこそごめんなさい」
『どうしよう、俺リホちゃんを好きになっちゃったよ』
「アタシは…」
『アタシは?』
「リホもケイタくんが好きみたい…」
小さくて消えそうな声でアタシは答えた
『まじで?やったぁ
でも俺達どうすれば良いんだろ』
「そうだよね…お互い結婚してるし、こんなに離れてるし」
『リホちゃん、ホテルでゆっくり話そう』
「イヤ!ホテルは行かない」
『そんなに嫌がらなくても…何もしないよ』
「そんな事言ってもダメよ」
『俺寒くなってきた』
確かにアタシも寒いと感じていた
「ホントに何もしない?」
チラッとケイタを見上げながら聞いた
『しないから、信用して(笑)』
「ホントよ、アタシに触れちゃダメよ」
『分かったから(笑)』
30を過ぎた大人とは思えない会話をしながらホテルに向かった