センセイと私の不可思議恋愛
「お、自主的にトレーニングしてるんか?やる気出てきたか?」
緑川が戻ってきた。
姫ちゃんを見つめていた青山の姿はもうなくなってて。
でも、私は見た。
確かに、見た。
「入部希望者、明日から体験入部させようと思うけどええか?」
緑川は、入部希望者の列をチラっと見てから、ため息交じりに言った。
「あんなに大勢、ですか?」
嫌そうに言った私に、瑠美が言う。
「おらんよりはマシか」
そりゃそうや。
サッカーは3人でできひん。
「わかりました。明日は、入部希望者に負けないように頑張ります」
「そうやな。どうせ、あれ全員は入らんから安心しい」
緑川の話し方は、穏やかやけどSっぽくて、男を感じてしまう。
瑠美の見る目はなかなかかもしれへん。
「じゃあ、今からドリブル練習始めっぞ!!」