センセイと私の不可思議恋愛
「でもな。萌ちゃんにはちゃんと女子サッカー部頑張って欲しいから、部活中は俺のことコーチとして見るんやで??俺も、できるだけ意識せんようにするから」
私の両肩に手を乗せた黒岩が、うんうんと頷きながら話してくれる。
この人・・・・・・私の好きな人。
こんなかっこええ人が、私を選んでくれた。
信じられへん。
「聞いてる?」
「は、はい。コーチ」
黒岩は、それでよろしいと言って、私から離れた。
「あ、黒岩!心だけは私だけの黒岩でおって欲しいねん」
思わず口から出たそのわがままを、黒岩はしっかり受け止めてくれた。
「何言うとんねん。俺の心は萌ちゃんのモンやで。ま、体もあげたいところやけど」
嬉し涙を流す私に手を振って、黒岩は練習に戻った。
私は涙を拭いて、トイレで気持ちを落ち着けてから練習に戻ることにした。