センセイと私の不可思議恋愛
センセイを巡る攻防
女子サッカー部の体験入部、5日目を迎えた。
運良く?
黒岩のコーチは、初日だけやった。
中学のサッカー部が試合前ってことで、忙しいみたい。
「やっぱ。青山、こーへんやん」
準備体操の途中で2年生が結構大きな声で言う。
「颯のこと、青山って呼び捨てんな!」
おぉ?
3年生がどえらい怖ろしい声で怒鳴る。
「はい、すいません」
と嫌味たっぷりに答える2年生。
うちらからしてみれば、
青山って呼ぶのも、颯って呼ぶのも呼び捨てやし同じやろって思うねんけど。
「それにしても、1年が部長っておかしくない?」
最初は大人しかった2、3年も文句言い出すようになった。
そら、そうやわな。
部長に決まったのは・・・・・・
「私が部長で嫌なら、入部してくれなくて結構ですから」
強気発言をした、我らが大越瑠美!!
姫華ちゃんを部長にして青山とくっつけようと思ってたんやけど、
緑川から指名されたのは、瑠美やった。
“お前が部長や。大越!”
と肩をポンと叩かれ、すっかり部長らしくなった。