センセイと私の不可思議恋愛
緑川の過去
黒岩と“何もない関係”になってから、なんでか1日があっと言う間に感じる。
ん~
何やろう。
感情をどこかに忘れてきてるっていうか。
わざと感じひんように調整してる自分がいて。
でも、そんな私も元気になれる新情報が舞い込んだ。
「ほんまっすか!先輩!!」
「ほんまやで。いとこの兄ちゃんに聞いたもん」
「まじで!!でも、緑川やったらありえる!」
先輩のいとこのお兄ちゃん情報。
緑川は、暴走族の頭やったらしい。
泣く子も黙る緑川・・・・・・と恐れられる存在やったらしい。
「瑠美~!どう?気持ちは?」
目をキラキラさせた瑠美が言う。
「ますますかっこいい!!」
そやなぁ。
うちらの年代って、ちょっと悪い男に憧れたりするもん。
「暴走族かぁ~、緑川先生めっちゃモテたやろうなぁ」
とニンマリする瑠美を見ていると、片思いも悪くないと思える。
「でな、相当な硬派らしい。高校時代からずっと同じ彼女で、その人をめっちゃ大事にしとってんて。モテるのに、他の女には目もくれへん感じらしい」
先輩の話を聞いて、他の部員も緑川かっこいい!と言い出した。