センセイと私の不可思議恋愛






「お母さん、ただいま。今日、緑川先生が送ってくれてん」





緊張しながらお母さんを呼ぶ。


化粧してて良かった。


まあまあ今日は綺麗や。



「あら、初めまして。瑠美の母です。いつも瑠美がお世話になってます」



めっちゃ深く頭を下げるお母さんに、緑川先生も頭を下げる。




「初めまして。緑川と申します。サッカー部の顧問と体育を教えてます。こちらこそいつも大越にはお世話になってます」





やばい。

なんか泣きそう。


お母さんと緑川先生がしゃべってる。


緑川先生がうちの玄関におるなんて。








「いえいえ、こちらこそ」



「いえいえ、本当にこちらこそ」




と頭を下げてばかりのふたりを見て、笑ってしまった。





「瑠美がいつも言ってるんですよ。緑川先生はかっこよくて優しくてすごくいい先生だって。今日お会いできて光栄です~」



お母さん!

何、言うてんの!



確かに、好きな気持ちバレるくらいに、かっこええって言ってるけど・・・・・・


緑川先生は、思いっきり照れた顔をして、頭をポリポリかいた。



「そんな・・・・・・俺なんて全然です」





かわいい。


緑川先生は気付いてない。


青山先生みたいな目立つ先生がおるから、自分がかっこいいことに気付いてない。


めっちゃかっこいいねんで。

緑川先生も。







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