センセイと私の不可思議恋愛




挨拶を終えて、先生を車まで送った。



照れる。

なんか照れる。





真っ暗な中に一本だけ街灯が立ってて、ちょうどその下に車が停まってる。


だから、顔がよく見えた。





「あのな・・・・・・大越」




真剣な表情で私のことをじっと見た。


また期待しちゃう。



“俺、お前のことが”・・・・・・みたいな展開を。


ありえへんっちゅうねん。




「あのな、さっきお母さんが言ってたことほんま?俺のことかっこいいとか優しいとか」




「あ・・・・・・はい。ほんまです。あんなんまさか言うと思わんかったからめっちゃ恥ずかしいけど・・・・・・」




緑川先生からそんなこと聞かれるなんて。


意外。


さらっと流すと思ったのに。




「めっちゃ嬉しいねんけど・・・・・・」



え?


かわいい!!


真っ赤になった緑川先生は、自分の頬を両手で押さえた。



「やっばいわ。めっちゃ照れるけど、俺、嬉しかったで。そんなん言われることめったにないから」



「そうなんですか?私はいつも思ってます。かっこいいし、優しいし、熱心やし、ええ先生やなって」



あ、私。

言い過ぎてない?



「あ、私だけじゃないです。先輩も、萌美も姫華ちゃんもみんなそう思ってますよ」



と付け加えてみた。




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