センセイと私の不可思議恋愛
黒岩への想い
もう大丈夫。
太陽は今日もぎらぎらしてるし。
風も気持ちええし。
私には大事な友達がおって、最高の部活仲間もおる。
食欲もあるし、夜も眠れる。
勉強も部活も頑張ってる。
ほんの少し。
ほ~んの少しだけ
寂しいだけ。
“萌ちゃんは俺だけのもんやで”
“萌ちゃん俺のこと好き?”
あの人の声が
忘れられへんだけ。
部活中に聞く声は、あの頃の声とは違う。
全然。
甘えてくれていた頃の声は
ほんまに甘ったるい声やったもん。
サッカーを教えてる黒岩は、キリっとした表情で
時々怒鳴ることもあって、別人なんちゃうかって思う時がある。
全部夢やったんちゃうかなって。